ポーターズ株式会社インタビュー

ポーターズ株式会社インタビュー(前編)

-- 働くITステーション修了者インタビュー --

[2022年9月配信]

今回は、倉庫事業や運送事業を手掛けるポーターズ株式会社にトラックドライバーとして就職されたITステーション修了者のAさんと課長の徳重様にインタビューをしましたので、その内容を今月号と来月号の2回に分けて紹介します。
 

前編の今月号では、Aさんのお話を、後編の来月号では、徳重様のお話を紹介します。
 

Aさんは軽度の広汎性発達障がいとうつ病があり、ITステーションで2カ月ほどWordやExcelを学ばれたのち、2021年9月に就職されました。
 

幸田:ITステーションで学ぼうと思われたきっかけは何ですか。

Aさん:当初は事務職に就きたいと思っていました。事務職を目指すなら、パソコンを使えるようにならないといけません。ハローワークに相談したところ、ITステーションを紹介していただき、講習を受講することにしました。
 

幸田:ITステーションでの講習はいかがでしたか。

Aさん:親切かつ丁寧に教えていただき、比較的スムーズに学習を進めることができました。ITステーションで学んだ操作を一人でしようとすると、思っていた以上にできなくて…。予習・復習をしっかりしないと 身につかないんだなあと思いました。
 

幸田:就職活動はどれくらいの期間続けられましたか。

Aさん:2年くらい続けていました。なかなか思うように進まなくて…。本当に厳しかったです。
実は、今回の就職活動中に医療機関で発達障がいがあると診断を受けました。うつ病であることは以前からわかっていたのですが…。
発達障がいがあると診断を受けてから、自分の障がいを理解することに時間がかかりましたし、自分の障がいに合った仕事を探すのにかなり苦労しました。
 

幸田:今働いている会社を受けようと思われたきっかけは何ですか。

Aさん:求人を見て、「これならできるかなあ」と思って応募しました。面接時に「トラックの運転は好きですか?」と尋ねられ、「はい、好きです!」と答えたところ、採用していただきました。
 

幸田:就職が決まったときは、どのような気持ちでしたか。

Aさん:すごくうれしかったし、社会人として認められる、頑張ろうと思いました。
 

幸田:現在はどのような仕事をされていますか。

Aさん:4トントラックのドライバーとして、荷物をいろいろなところに運んでいます。軽トラックを運転することもありますが、1日6時間くらい運転しています。
 

幸田:職場の雰囲気はいかがですか。

Aさん:みなさんとても親切で、居心地がよく、口数も増えてきました。「面白いことを言いたいなあ」と思える雰囲気です。
 

幸田:お仕事をされるにあたり、何か心がけていることなどはありますか。

Aさん:会社の方や納品先の方と積極的にコミュニケーションを取るようにしています。黙っていたら、何もできないですよね。
 

幸田:仕事に就かれて、ITステーションで習ったことが役立っていますか。

Aさん:当初は事務職をめざすためにパソコンの使い方などを学習していましたが、こちらの会社に就職してからは、事務職ではないものの、社内の勤務管理システムや報告などを常にパソコンを使いながら行っているので、非常に楽に感じています。ITステーションでパソコン操作の基礎を学んでよかったと思います。
 

幸田:今後の目標などはありますか。

Aさん:決まったルートで決まったお客様のところに行くことが精神的にも楽なので、臨時の仕事が受けにくく、それは避けたいなあと思いがちです。
しかし、もうちょっと積極的に臨時の仕事も受けられるようになったらなあと思っています。
 

幸田:休日などはどのようにしてすごされていますか。

Aさん:バイクでツーリングをしており、神社仏閣の御朱印巡りに行っています。また、大衆演劇を見たり、ボーリングに行ったりしています。あまり家に居ないですね。
 

幸田:最後に、現在就職活動中の障がいのある方へメッセージがありましたら、お願いします。

Aさん:実際に勤めてみないと、どんな人がどんな仕事をしているかなど、会社の雰囲気はわからないと思います。可能なら面接の前に会社の雰囲気を確認するなど、積極的に会社について知るようにすることが大切だと思います。
 

【インタビューを終えて】

インタビューを通じ、Aさんがとても充実して楽しそうにお仕事をされている様子をうかがうことができました。
また、ご自身が苦手な単発の業務にも取り組んでみたいと話されるなど、積極的に物事に取り組もうとされる様子が印象的でした。これからもご自身のペースで少しずつ活躍の場を広げられることを願っています。
 

次回は、課長の徳重様のインタビューを紹介します。
 

【写真紹介】

インタビューの様子を写真で掲載しています。
ご興味のある方は、下記URLよりご覧ください。

http://www.itsapoot.jp/mailmaga/interview09.html
 
 

ポーターズ株式会社インタビュー(後編)

-- 採用企業へのインタビュー:障がい者と共に働いて --

[2022年10月配信]

今回は先月号に引き続き、倉庫事業や運送事業を手掛けるポーターズ株式会社の社員へのインタビューを紹介します。
 

先月号では、ITステーションの修了者Aさんの就職活動や会社での仕事内容について紹介しました。
今月号では、課長の徳重様にポーターズ株式会社での障がい者雇用の取り組みや障がい者と共に働くことについてお話しいただきましたので、その内容を紹介します。
 

幸田:現在何名の障がいのある方が働かれていますか。

徳重様:ポーターズ株式会社全体では、約30名の障がいのある方が働かれています。その内6名が門真事業所と東大阪事業所で働いています。
 

幸田:障がいのある方は、主にどのような業務に当たられていますか。

徳重様:弊社では、主に精神障がいのある方が働いており、倉庫作業員として荷物の管理業務などに当たっています。
 

幸田:障がいのある方を雇用される前は、障がい者雇用についてどのような印象を持たれていましたか。

徳重様:まず、障がい者雇用というものがあることを知りませんでした。
正直、「これからは障がいのある方を雇用する」と会社から言われたときは、どうしたらよいのか全然わかりませんでしたし、戸惑いもありました。
「普通に話ができるのだろうか」とも思いました。しかし、障がいのある方と面接で話をしたり、一緒に働く中で、当然のことですが普通に話もできるし、仕事もできるということがわかり、健常者と変わらないと思いました。人それぞれ気を付けないといけないところがあるので、そのポイントをきちんと理解し、その人に合った働き方で仕事をしていただければ、何の問題もなく、健常者と同様に働いてもらえると、今は思っています。
 

幸田:障がいのある方を雇用されたことにより、会社内での意識の変化や議論する機会などはありましたか。

徳重様:部下には、私が思っていることとして、障がいのある方も健常者と同じように働けることを伝えるようにしています。初めは戸惑っていた人も障がいのある方と一緒に仕事をしていく中で、障がいのある方への理解が進んでいっているように思えます。
中には、仕事のスピードが違うなどと言う人もいますが、その人たちには、障がいがなくても仕事のスピードが遅い人もいるし、みんな同じでできることとできないことがあると説明しています。
 

幸田:ホームページを拝見し、2021年1月28日に大阪府障がい者サポートカンパニー(以下、サポートカンパニーという)の「優良企業」に登録されていることを知りました。サポートカンパニーに登録しようと思われたきっかけは何ですか。

徳重様:支援団体やハローワークを通じて障がいのある方を雇用していく中で、サポートカンパニーという取り組みがあることを教えていただき、せっかくなので登録してみようと思いました。
 

幸田:サポートカンパニーに登録され、何か変化などはありましたか。

徳重様:サポートカンパニーの「優良企業」として認定していただいているので、会社自体が障がいのある方・ない方すべての人を含めて「優良企業」の名にふさわしい仕事環境を整えようという意識に なっています。
 

幸田:障がいのある方の現場実習生を受け入れられているとうかがいましたが、どのような形で実習生に仕事を体験していただいていますか。

徳重様:支援学校や支援団体から定期的または不定期に実習や職場見学の依頼があります。
実習をしていただく場合は、担当者の方から実習対象者の障がい特性を聞き、その人に合わせた形で実習をおこなっています。例えば、初めの1週間は午前中のみ来ていただき、慣れてきたら、1日来ていただくというような感じです。
 

幸田:今後、障がい者雇用をどのように進めて行きたいと考えていますか。

徳重様:障がいのある方を雇用する中で、支援団体や学校などとつながることができたので、積極的に求人の案内を行ったり、現場実習などを受け入れながら、今後も障がいのある方の雇用を進めて行きたいと思っています。
ゆくゆくは、障がいのある方が役職についてくれたらうれしいですね。
 

幸田:最後に何か一言ありましたらお願いいたします。

徳重様:障がい者雇用は難しく考えると、とても難しいと思います。企業の方には、もう少し気楽に考えていただけたらと思います。
そして、障がいのある方は、ぜひ弊社の現場を見に来てくださいと言いたいです。
 

【インタビューを終えて】

インタビューを通じ、徳重課長の温かいお人柄に触れることができました。
障がいのある社員を特別視せず、「一人の社員」として接すること、その人ができる仕事をその人ができる形でしてもらえるように工夫されていること、障がいのある方もない方も居心地が良いようにコミュニケーションを取りながら仕事をされていることをうかがうことができました。
徳重課長のように管理職の立場にある方が温かく部下に接しているからこそ、障がいのある方もこの会社で長く働き続けられるのだと思いました。
 

【写真紹介】

インタビューの様子を写真で掲載しています。
ご興味のある方は、下記URLよりご覧ください。

http://www.itsapoot.jp/mailmaga/interview09.html
 


関連ページ「ポーターズ株式会社でのインタビュー風景」に戻る

  • 講習会やイベントのお知らせ等をお送りします メールマガジンのページへ移動する