「Be My Eyes」の紹介

[2023年7月配信]

今回は、視覚障がいのある方やロービジョンの方(以下総称して「視覚障がいのある方」)がスマートフォンのビデオ通話を利用し、ボランティアの方からサポートを受けることができるアプリ「Be My Eyes(ビー マイ アイズ)」を紹介します。

Be My Eyesは視覚障がいのある方と目の見えるボランティアの方をつなぐアプリです。アプリはAndroid版とiOS版の両方があり、無料でダウンロードすることができます。2015年にデンマークでリリースされて以来、2021年末時点で150以上の国・地域、180以上の言語で400万人近いボランティアの方、20万人以上の視覚障がいのある方が登録しています。
 

アプリを利用するには、アプリをダウンロード後、サポートを受ける側(視覚障がいのある方)またはサポートをする側(目の見えるボランティアの方)のどちらかを選択し、それぞれの登録手続きに従ってユーザー登録します。後は、サポートを受ける側は必要なときにサポートをお願いし、サポートをする側はサポートの依頼通知が来るのを待ちます。
 

視覚障がいのある方とボランティアの方は下記の流れで繋がります。

  1. 視覚障がいのある方がBe My Eyesを使ってサポートを依頼する。
  2. Be My Eyesが視覚に障がいのある方が利用する言語とマッチする複数のボランティアの方に同時に通知を送る。
  3. 通知を受けたボランティアの方の内で最初に応答したボランティアの方と視覚障がいのある方がつながる。

 

依頼できるサポートは、落とし物などを見つける、洋服などの色の確認、食品などのラベルの読み上げなど、日常生活のちょっとした困りごとです。
これは大変便利ですね。
 

他にも企業のカスタマーサポートの担当者から直接サポートを得られる「スペシャライズドヘルプ」という機能があります。

項目を開くと「テクニカル」「ホーム&クリーニング」「美容と身だしなみ」などのジャンルが表示され、そのジャンルを選択すると、利用できる企業の一覧が表示されます。企業名を選択して開くと、対応可能言語の一覧と企業へ連絡する項目などが表示されます。現時点では数が少ないですが、今後の発展に期待が高まる項目です。
 

視覚障がいのある方として登録している場合、アプリを起動すると、上から「ボランティアと通話する」「スペシャライズドヘルプ」「Vertual Volunteer Beta. Register」の3つのメニューが表示され、画面の下には、左から「サポートを受ける」「コミュニティー」「学習」「設定」の4つのメニューボタンが表示されています。
 

ボランティアの方と通話するには、「ボランティアと通話する」を選択し実行するとすぐに呼び出し音が流れます。平均30秒ほどでボランティアの方とつながることができるそうです。

ボランティアの方とつながると、ボランティアの方のスマートフォン画面に視覚障がいがある方が映しているスマートフォンのカメラの映像が表示されます。

視覚障がいのある方のスマートフォンの画面には、自分が映しているカメラの映像が表示されます。お互いに顔を見せることなく、声のみで通話することができるという点が安心感を与え、魅力的です。
 

サポートが終わり、通話を終了すると視覚障がいのある方のスマートフォンには、今回の通話を評価する画面が表示されます。

「この通話中に問題がありました」と「よい通話でした」の2段階から通話を評価します。評価ができたら初期画面に戻ります。
 

さて、視覚障がい者でもある私も使ってみました。

今回は、下記の2つのシーンでボランティアの方にサポートを依頼しました。

  1. 自動販売機で飲み物を買う
  2. カップラーメンの種類の確認とお湯の量の確認

 

まず、自動販売機で飲み物を買う体験では、自動販売機の全体像を見ていただいたり、飲み物の名前などを読んでいただけるようにスマートフォンのカメラの向きを調整することが難しかったです。

また、売り切れの赤いランプが見えにくかったり、飲み物の名前が読みにくかったりと、細かい情報を見ていただくことに少し時間がかかりました。
 

しかし、飲み物の種類や目的の飲み物のボタンの位置、コインの投入口などを丁寧に教えていただきながら自動販売機で希望する飲み物を買えたことは、達成感もあり、とても嬉しかったです。

サポートを受けずに自動販売機で飲み物を買う場合、どのボタンが何の飲み物のボタンなのかわからないため、くじ引きを引いているようなもので、何が当たるかわかりません。このようなときにボランティアの方にサポートしていただけると、安心して希望の飲み物を買うことができます。
 

次にカップラーメンを作ってみました。

今回は、1回目の通話でカップ麺の種類と作り方を、2回目の通話で注ぐお湯の量を見ていただきました。
 

カップ麺の種類と作り方は、ボランティアの方の指示通りにスマートフォンのカメラの向きを調整することでスムーズに読んでいただくことができました。

注ぐお湯の量を見ていただいた際は、お湯を注ぐと湯気でカメラのレンズが曇り、ボランティアの方がお湯の量を見ることができないというトラブルがありました。

カメラのレンズを拭いて見ていただいたところ、たまたまお湯の量がちょうどよいとのことでしたが…。これは、サポートする側もなかなか難しいのではと思いました。ちなみに、後ほど他の職員に見てもらったところ、お湯の量は少し足りなかったそうです。

しかし、麺はきちんとほぐれ、味もおいしかったので、問題なしです。安心してカップ麺のお湯を注ぐことができるという点は、サポートを受ける側にとっては、とてもうれしいことです。安心しておいしいカップラーメンが食べられます。
 

今回対応してくださったボランティアの方々はみなさんとても親切で丁寧にサポートをしてくださいました。ボランティアの方々の温かい心遣い、大変うれしかったです。

日常生活のちょっとした困りごとを助けてくれるBe My Eyes。かゆいところに手が届くアプリです。Be My Eyesは人と人をつなぐ素敵なアプリだと思いました。
 

ボランティアとして登録されたい方、視覚障がいがありサポートを受けたい方。ご興味のある方はぜひアプリをダウンロードしてユーザー登録をして使ってみてください。
 

「Be My Eyes」App Storeダウンロード先

https://apps.apple.com/jp/app/be-my-eyes-helping-blind-see/id905177575
 

「Be My Eyes」Google Playダウンロード先

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.bemyeyes.bemyeyes&hl=ja&gl=US&pli=1
 

【動画紹介】

Be My Eyesを使って自動販売機で飲み物を買う様子とカップ麺を作る様子を動画で紹介しています。下記URLからぜひご覧ください!

ただし、今回の動画は非常に大容量になっています。スマホでの視聴は契約条件によっては通信料金が高くなることがありますのでご注意ください。

http://www.itsapoot.jp/mailmaga/BeMyEyes.html
 


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