ONEGAME(ワンゲーム)堺の紹介

今回は、堺市にある就労継続支援B型事業所ONEGAME(ワンゲーム)堺に行き、代表の納谷絢哉さんと利用者に話を伺いましたので、その内容を紹介します。

 

ONEGAME(ワンゲーム)は群馬県にある株式会社ワンライフがフランチャイズ形式で運営している就労継続支援B型の施設で、2024年2月現在、北海道、東京、三重、大阪、沖縄など全国に24施設展開しています。

ONEGAME(ワンゲーム)では、eスポーツを利用して障がいのある方の就労を支援する取り組みを行っています。eスポーツの技術を磨く「選手コース」、ゲームの実況解説などを行う「実況解説MCコース」、様々なイベントの企画・運営を行う「イベントコース」の3コースがあり、それぞれ技術を磨きながら就労への道を探って行きます。

 

今回私が訪れたONEGAME(ワンゲーム)堺は商業施設イズミヤSC・アンディ泉北店の1階の一角にあります。スーパーや洋服店などが並ぶエリアに突然現れる黒壁で囲まれた場所が目を引きます。ここがONEGAME(ワンゲーム)堺です。
 

黒で統一された施設の中は、利用者が集中して作業にあたれるようにそれぞれのコースごとに部屋が区切られています。

選手コースの部屋では、主に「レインボー・シックス・シージ」と「ぷよぷよ」のトレーニングが行われていました。一人ずつ間仕切りされたスペースで画面と向き合い、真剣にトレーニングに取り組まれていました。「レインボー・シックス・シージ」は5人一組でプレイするゲームとのことで、チームワークなどについて学べるそうです。

実況解説MCコースの部屋では、YouTube動画の作成や動画へのテロップの入力などの作業が行われており、パソコンと向き合い、利用者が黙々と作業をしていました。

イベントコースの部屋はイベントの計画や運営について議論できるようにオープンスペースになっています。楽器やゲームのセットが配置されており、利用者が楽しそうに話をしていました。

施設全体が生き生きとして明るい雰囲気が伝わってきます。

 

ONEGAME(ワンゲーム)堺の納谷代表にONEGAME(ワンゲーム)のフランチャイズに加盟した思いを聞きました。

「なぜ商業施設内に福祉施設をと思われる方もいらっしゃるでしょう。ネット社会になり、インターネットで簡単に物が買える時代になり、商業施設などの実店舗の売り上げは低迷し、商業施設の役割は、『ものを売ること』から『ことを売ること』へと変化してきています。小さな子どもや高校生向けのeスポーツイベントなど様々なイベントを開き、商業施設のアミューズメント性を高めることが求められています。そんな折にONEGAME(ワンゲーム)のことを知り、商業施設が抱える問題解決に一役買えるのではと思いONEGAME(ワンゲーム)のフランチャイズに加盟することにしました。」

 

納谷代表はそれまで福祉に携わった経験がなく、一から勉強されたそうです。

「私のモットーは楽しく仕事をすること。ONEGAME(ワンゲーム)は自由度があり、楽しそうで、自分が今までしてきたことを利用者に教えてあげたいという思いが沸いてきたのです。」と納谷代表。

 

ONEGAME(ワンゲーム)堺では、主に精神障がいのある方が利用されているそうです。

引きこもりがちだった人や他の施設で継続して通所することが難しかった人がONEGAME(ワンゲーム)堺を利用するようになってから毎日通所することができるようになったり、イベントに積極的にかかわるようになったりなどと多くの方が前向きに物事に取り組まれるようになるなど、利用者に変化が見られるそうです。

「ONEGAME(ワンゲーム)堺から就労された方はまだいませんが、他のONEGAME(ワンゲーム)の施設では、eスポーツのコーチや音楽機材関係の企業に就職された方もいらっしゃいます。利用者には、動画編集などの技術の習得に加え、イベントの企画・運営のノウハウなども身に着けてもらいたいです。また、移り変わりの早いネット社会に対応した人材を育成できるよう、その時々に応じた学習内容を提供できるようにすることも必要だと考えています。今は、VRチャットといわれるバーチャル空間で様々な人と交流できるものがありますが、そのような技術が習得できるようにプログラムを構成できればと思っています。自らお金を稼ぐ道を開いていけるよう利用者の興味がある分野で技術を高められるようサポートしていきたいです。」と納谷代表が熱く語ってくださいました。

 

さて、利用者の感想はいかがでしょうか。
今回は2名の方にお話を伺いました。
 

まずは、Aさんです。
「ゲームが好きで半年ほど前から週2日のペースで通っています。声を使う仕事に興味があり、実況解説MCコースで学んでいます。頭に言葉は浮かぶのですが、なかなか上手に話せなくて…。何度も練習を重ね、慣れていく必要があると思っています。今は、実況の練習をしたり、イベントの運営に携わったりすることで、気持ちも前向きになり、少しずつ外に出る機会も増えてきました。将来は声を使った仕事に就きたいと思っています。」
 

続いて、Bさんからのコメントです。
「3カ月ほど前から週4日のペースで通っています。運よく就職したのですが、いろいろあり辞めてしまいました。そんなときにX(旧ツイッター)でONEGAME(ワンゲーム)堺のことを知り、思い切って連絡したのがきっかけで利用することになりました。今は、イベントコースと実況解説MCコースで動画編集などを学んでいます。YouTubeの動画にゲームの解説を付けたり、ダイエット動画を作って投稿したりしているのですが…。あまり反応がなくて…。現実は厳しいですね。また、お菓子作りにも興味があり、商業施設内のケーキ屋さんでケーキ作りを学んでいます。まさかONEGAME(ワンゲーム)でケーキ作りが学べるなんて、思ってもいませんでした。ここを利用するようになってから物事を前向きにとらえられるようになりました。いろいろな経験ができ、 充実しています。将来は動画編集の仕事ができるようになりたいです。」

 

ONEGAME(ワンゲーム)堺では、利用者が企画したイベントとしてクリスマス会を開いたり、箕面市にオオクワガタを探しに行ったりなどと、利用者が様々なことにかかわれるように工夫されているそうです。
 

「商業施設内にある強みを活かして、利用者には各店舗での実習なども含めていろいろな経験をしていただき、技術を身に着け、個々の可能性を広げていってほしいです。」最後に納谷代表が力を込めて話してくださいました。
 

 

【インタビュー風景紹介】
今回もインタビュー風景を撮影した写真を掲載しています。
ご興味のある方は、下記URLをご覧ください。
http://www.itsapoot.jp/mailmaga/interview202403.html

 

【参考URL】
ONEGAME - 株式会社ワンライフ
https://onelife-inc.com/business/onegame/

 

就労継続支援B型 ONEGAME 堺
https://onelife-inc.com/facility/onegame-sakai/

 


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