今回は手話で話す人と声で話す人の会話をサポートするソフトウェア「SureTalk」を開発しているソフトバンク株式会社プロダクト技術本部 技術企画開発統括部 事業企画推進部 SureTalk課の田中敬之(タナカ ノリユキ)課長にSureTalkの開発状況や今後の展望についてインタビューをしましたので、その内容を紹介します。
今回のインタビューはZoomによるオンライン会議の形式で行いました。
SureTalkは、ソフトバンクが提供する、手話ユーザーと音声ユーザーの間で会話が出来るコミュニケーションアプリ です。
聴覚障がい者の手話動作を解析して単語に導き、それを自然な文章になるよう成文してテキスト化するシステムと健聴者の発話を音声認識するシステムで構成されており、手話と音声をそれぞれテキスト化することで、健聴者と聴覚障がい者相互のコミュニケーションが行えるようになっています。
より詳しい説明はこちらの外部サイト(SureTalk)をご覧ください。
SureTalkはAIが手話動作を学習することで手話の認識精度が高まるよう設計されているため、よりスムーズに会話を進めるには、膨大な量の手話データが必要になります。そこで、現在は約20か所の都道府県や市町村などの協力を得て手話のデータ収集を行っています。
一般用は手話の登録のみ行うことができ、パソコン版とiPhone版が公開されています。利用するにはユーザー登録が必要になります。「ご自身が日常使っている手話を登録することで将来SureTalkが個人向けに利用できるようになった際、登録した手話動作がAIの学習データに組み込まれているので、認識精度がよくなることが期待できます。」と語る田中課長。
多くの支援機器やソフトが声で話された内容を文字化して伝える、あるいは人を介して手話を翻訳して伝えるという基準のもとで考えられたもので、手話で話す人が自身の持つ言語である手話で直接的に思いを伝える機器やソフトはありませんでした。
SureTalkは、手話で直接伝えることができる貴重なソフトです。まだまだ開発途中ではありますが、今後の展開が楽しみです。