ポーランドの交通事情その2
 ―ポーランドのバス・トラム(路面電車)について―

今回は元大阪府ITステーション職員で現在はポーランドに在住しているAさんにバリアフリーの観点から「ポーランドの交通事情」という話題でインタビューをしましたので、その内容を紹介します。 インタビューでは、「ポーランドの道路事情について」「ポーランドのバス・トラム(路面電車)について」「ポーランドの電車について」という三つの話題で話を聞きました。
今回は「ポーランドのバス・トラム(路面電車)について」紹介します。

■ バスについて

最近のバス
最近の市内循環路線バスはいわゆるノンステップバス(段差の少ない低床バス)タイプ。
また、停車時にもエアサスペンションで車高が下がり、出入り口も乗り降りしやすくなっている。

 

チケットはコンビニやキオスクでも買える
バス・トラムのチケットは停留所だけでなくコンビニやキオスクで購入できる。写真はポーランド国内で9000店舗を展開する大手コンビニチェーン「ジャプカ」の店舗。

 


街角のキオスク。鉄格子がコワオモテの雰囲気を醸し出しているが、これくらいは普通。世界は厳しいのだ。

 

運賃は時間制
運賃は距離制ではなく、時間制。何分乗るかによって決まっている。
左の写真は60分券。3.8ズローチ(128円程度)。1回使い切りとなる。
乗車すると、打刻器にチケットを矢印の方向に入れ、右の余白に日付け時間を打刻する。

 

打刻器
チケットに乗車時間を打刻する機械。差し込むと、タイムカードのように打刻される。これを忘れると、チケットがあっても無賃乗車扱いとなり、抜き打ち検札で罰金が科されることがあるため、乗車の際には、必ず打刻器がどこにあるか探さなければならない。

 

車内に券売機
乗るまでにチケットが買えなかった人のために、車内に券売機が設置されている。
ポーランド語、英語、ドイツ語で表記されているのも特徴の一つ。
硬貨かクレジットカードで購入できる。

 

車イス等へのバリアフリースペースを設置
入り口付近に、車イス等に対応したスペースを設置しているバスも増えている。
車イスだけでなく乳母車やベビーカーの停車場所としても利用されている。

 

優先座席
入り口付近には優先座席も確保されているが、基本的に障がい者やお年寄り、女性に席を譲る習慣がある。
座席にマークが明示されている。

 

バスの行き先案内は前だけ
路線バスの行き先案内は前だけ。電光表示がある。後ろは、路線番号のみ。確かに乗れなかった路線バスの行き先を表示する意味はあまりないのかも。
ヨーロッパ特有の合理主義なのかな。



後ろに文字があるバスが来たので、よく見ると公益法人の広告だった。

 

バス停もいろいろ
都市部で乗降客の多いところのバス停留所。
複数の路線があるので、時刻表は複雑。その上、季節によって時刻表が変化したり時刻通りに来なかったりで、信用できない。丁度自分の乗るバスがきたら「ラッキー!」というレベルのいい加減さといえる。>

 

待合所があるだけマシ?
道端のバス停留所。かなり年季の入ったつくりだが、待合所があるだけマシといえる。

 

中にはこんな趣のある停留所も
ビエルツグウォフスキ城という史跡付近にあるレンガ造り風の停留所。よく見るとレンガ造りの壁は1面で、後の2面はそれに合わせた模様が塗られたものとなっている。


ビエルツグウォフスキ城はポーランド中北部、世界遺産にも登録された中世都市トルン郊外にあるドイツ騎士団の城。起源は13世紀までさかのぼる。石とレンガで造られ、ヘウムノ地方で最も古いもののひとつ。
今は宿泊所もある歴史学習施設となっている。

 

長距離バスのターミナル
市内循環の路線バスだけでなく、都市間移動や観光手段としてもバスは重宝している。
ここは長距離バスのターミナル。櫛状にプラットホームが並んでいる。
ただ、行き先表示は見当たらない。

 


昼間の時間帯なので、チケット売り場窓口(有人対面受付)も閑散としている。

 

■ トラムについて

トラムの料金も時間制
トラムもバスと同じく時間制でチケットも共通のもの。
トラムは路面電車と訳されることが多いが、ここでは車道共用の路面のほか専用軌道も多く、市街電車という方がしっくりくるかもしれない。







入り口付近に優先座席
バス同様入り口近くに優先座席がある。

 

トラムの停留所
バス停留所のように、トラムも一様ではない。基本は、プラットホームとトラム停留所の看板、行き先案内電光掲示板がセットになっている。


中には待合所が設置されているところもある。

 


「ポーランドの道路事情について」はこちら 「ポーランドの電車について」はこちら

 

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